伊丹駅前も至る所にラーメン店がある。
ラーメン激戦区といえる。最近、行列の出来ているラーメン店の前を通る。
昼飯時なら、20名以上が並んでいる。
場末のグルメを探していると、阪急伊丹線の高架近くに、そのラーメン店はあった。
なぜ、この店に入ったのか?
昼飯時だというのに、客が誰もいなかったのだ。
入ろうか入るまいか、迷っていると、夫婦とみられるご老人が入られた。
その姿が何とも場末感が漂っていた。
ご老人ふたりから、少し遅れて入店する。
10席程度の、カウンターだけの店内。
三角巾を頭に巻いた男女ふたりの店員が、カウンターの中でラーメンを作る。
ご老人ふたりは550円のラーメンを注文する。
料金は安い。
私は650円の銀河ラーメンを注文。
ラーメンの他に、チャーハン、から揚げ、キムチのメニューがある。
ところが、ラーメン店の定番、餃子がメニューにない。
「近くに大阪王の餃子専門店があるからなのかもしれない」と、私は想像した。
この餃子専門店は餃子とビールしかない、本格的な専門店なのだ。
日本一美味いというウワサの店だ。
近くにそんな有名店があるので、遠慮しているのだろうか。
ラーメンは豚骨醤油に背脂と白菜。
味は普通。
ラーメンを食べ始めると、隣に座っている老夫婦が政治の話をしていた。
「小泉首相は郵政民営化以外に何もしなかった」と旦那さん。
かなり古い話だ。
奥さんの方はラーメンをすすりながら、黙って話を聞いていた。
他に客がやってくる様子もなく、場末感が漂ってくる。 |