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場末 その7 ガンガマハル


最近、やたらとインド料理の店が目に付く。
辺鄙な住宅街に突然現れる。
こんな場所で、商売が成り立つのだろうか、と余計な心配をしてしまう。
どの店舗も派手な装飾の店構えだ。
どれも同じ様相で同じ配色だ。

以前、勤めていた天満橋の近くにも何店舗か、このインド料理店があった。
2,3件、入ってみたが、ほとんど変わり映えしない。

さて、昨今のインド料理はどうなっているのか?
阪急武庫之荘近くに出来たインド料理店に入ってみると…。

厨房には3人のインド人らしき店員がいる。
2名のウェイトレスは 日本人のオバちゃんだった。
ランチはカレーとサラダとナン(またはご飯)と飲み物がセットになっている。
カレーの種類がかなり多い。

日替わりランチは930円。
少し高め。
一番安い(800円)のチキンカレーを注文する。
カレーは5段階あって、取りあえず辛口にする。
予想通り、しゃぶしゃぶのカレーだ。
これがインド風のカレーなんだろう。

アツアツのナンをカレーに付けながら、食べる。
やはり、日本のドロドロしたカレーを食べ慣れているので、もの足りない気がする。
悪くもなく、良くもなく。

インド料理というが、店員はスリランカ人やネパール人が多いという。
政情不安の国を離れて、ジャパンドリームをつかもうとやってくるのだ。
労働ビザを手に入れるためブローカーに大金を支払って、来日するようだ。

人の良さそうな店員たちは愛想よく笑っている。
料金を払うと、両手を胸の前で合わせて、丁寧にお辞儀をする。
何とか成功して、母国にジャパンマネーを持ち帰ってほしいものだが…。

2組の客しかいない閑散とした店内を見てると、現実の厳しさを感じてしまう。


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