金川淳一アルバム・想い出1
 
 
平成元年11月7日関西労災病院で誕生。長女から7年遅れて、我が家にやってきた。次も女の子がいいなと思っていたので、男の子と言われて少しガッカリしたのを覚えている。しかし、女の子のように色の白い子だった。
数ヶ月後、まるまると太っていた。
本当に良く泣く赤ちゃんだった。
ジッとしているのが嫌いな子だった。とにかくよく動き、走り回っていた。リビングで乗るミニカーはとっても気に入っていた様子。
子育ては修行と思ったほうがいい。
この頃の淳一は良く泣く、ごねる、ジッとしていない。
今から思うと、それが懐かしい。
エピソード1
●お味噌汁とお新香
言葉を覚え始めた頃のことだ。
朝ご飯を食べていた時、淳一は漬け物を指さして、「おみこ」と言う。
おそらく、朝食時にお味噌汁やお新香の言葉を聞き、それが合体され、漬け物が「おみこ」となったのだろう。
それから頻繁に、食卓に漬け物が出ると、「おみこ」と叫んでいた。
それが何度も言っているうちに、「お○こ」と聞こえてくるのだ。
「お○こ」は関西では女性の下半身を指す言葉で、放送業界では禁句だ。
テレビでは「お○ん○ん」やこの言葉を出演者が言うと、「ピー」とか「ブー」などの擬音に置き換えられたりする。
(関西では「お○こ」だが、関東では「お○んこ」、九州では「ボボ」などと言ったりするらしい。以前九州にプロレスラーの「ボボ・ブラジル」が来たとき、地元は大騒ぎになったとか。)
淳一の発する「おみこ」は危険な響きだった。
そんなある日、家族で京都へ遊びに行く機会があった。
お土産を買って帰ることになり、三条河原町にある漬け物専門店の「大安」に立ち寄った。
妻と娘が店内に入り、私は淳一を抱いて商品を見ていた時である。
突然、息子は並べられた漬け物を指さし、「おみこ」「おみこ」と連呼し出した。
その声は店内に響き渡り、やがて「おみこ」は「お○こ」と聞こえてきた。
私はあたふたと淳一を抱きあげて、パチンコ屋の喧噪に飛び込んだ。