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雀鬼3番勝負(5月凶日)

迷いは良い結果を生まない。
人生において、つまづく時はいつも迷い、とまどい、うろたえる。
物事が順調に進む時は考えが真っ直ぐ前を向いているものである。
麻雀においても同様、迷う時はけっして良い結果を生まない。
この日は迷いに迷っていた。
そんなときに得てしてやって来る手牌が下図の手である。

一気通貫三色同順の選択を迫られる手がくる。
同じ位に好きな女が2人いて、どちらと結婚するかを迷っているのに似ている。
まあ、次ぎにお誘いの電話が掛かった女の方にするかと優柔不断なことを考えていると、「子供が出来たみたい。どうしてくれるの?」と同時に2人の女から迫られている状態である。
この日は散々迷った末、選んだ女に逃げられてしまうという運命だった。
逃げられるだけなら良いが、満貫という借金の支払いまで押しつけられることになったのである。
迷いがろくな結果を生まない典型的な例が下図の手牌であった。


この形では絶好のツモになる。
を落とせば、234の三色同順が確定する。
ダマテンで上がっても、満貫である。
だが、難儀なことにがドラなのだ。
が壁になっているといっても、ドラが場に出る気配はない。
この局まで三色同順の手牌が頻繁にやって来たが、もう一歩のところで上がれない状態が続いていた。
こういうイライラした時に、迷いが生じる。
を落として、のシャボ待ちでリーチを掛けたらどうだろうか。
は場に出ていないし、で当たれば満貫になる。
愚考が頭をよぎる。
迷いは愚考を実行へと駆り立てる。
を切って、リーチを掛けた。
せっかく、気立てやさしい金持ち女と婚約までこぎ着けたのに、思わず派手好きで浪費家の女に乗り換えてしまったのである。
リーチした3巡後に、をツモって「アッ」と声をあげる。
捨てた女が突然大きなお腹をして舞い戻ってきた時にあげる声である。
振り込まないだけ、幸運というものだろう。
その局は流局となった。
期待のは仲良くお手々をつないで、お山の中に隠れていた。

その後も散々迷い、−20と○がひとつで、500円の損失となった。


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