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★ウランのシッポ

時々、人間のシッポが見える。
喜んでいるのか、悲しんでいるのか、媚びを売っているのか、怒っているのかが判る。
顔の表情とは全く違う動きをしたりするから面白い。
「いやあ、部長、今日のゴルフ、ご一緒出来て良かったです、本当に、ハイ、ありがとうございました、ハイ」
満面の笑みをたたえているのに、シッポはダラリと垂れ下がっている。
シッポは正直だ。
愛想では振れない。


ウェルシュ・コーギーには生まれたらすぐにシッポを切る習慣がある。
コーギーは昔、牧畜犬として活躍していた。
牛を相手に、足の間を俊敏に駆け回り、カカトに噛みついて追い立てていたそうだ。
その際、シッポを家畜に踏まれたら動きが止まり、頭やお腹も踏まれて致命傷になってしまう。
それで、安全と能力発揮の為に切ったというのだ。
現在では切る必要はないのだが、純血種の場合は「スタンダード」なる形を優先するため、これに習って切るのが常識化している。

ウランも我が家に来たときからシッポはなかった。
習慣により、生まれたときに切られたようだ。
無かったら無かったでなかなか滑稽だが、あればまた可愛いだろうに。

 

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