●TOP 

 




★ウランの上司

何故か、怒ってはる。
僕が近づくと、慌てて犬小屋へ入ってしまう。
散歩に誘っても、なかなか出てこない。
いつもだと透明のシッポを振って、飛んで来たのに。
そういえば…。
先日、通行人に激しく吠えていたので厳しく叱った。
よく知った人には吠えない。
が、近くに住むネギ屋さんのおじいさんにはことのほかよく吠える。
あまりに吠えるので、おじいさんは通る道を変えてしまった。
お気の毒に。
知らない人、人相の悪い人には吠える。
だから、番犬としては役割を果たしていると言っていい。
ウランがすねている理由はこうだ。
「あんたね、この前、両親が岐阜に行って1階には誰もいないので物騒だと言っていたのと違うの。頑張って、1階の番犬していてね、なんて、言っていたのと違うの。それでやね、ワタシは人相の悪い人が通ったから吠えたのに…。なんで怒られなといかんの」

ウランにとって、僕は権力者だ。
散歩させたり、エサを与えたりする権力を持っている。
会社でいえば、上司と部下の関係だ。
その権力の使い方は道理にかなったものでないといけない。
気分によって使われてはならない。
理不尽だと、当然部下はそっぽを向く。
犬だって、理不尽だと怒る(ようだ)。

ウランは人権じゃなかった、犬権問題として、抗議している模様。

 

★もくじ