★ウランの癖
ウランには変わった癖がある。
音を出す人間に激しく吠えて、飛びかかってくるのである。
音は咳、くしゃみ、ゲップ、ため息、そしてオナラのたぐいだ。
話し声には吠えたりしない。
激しく吠えている時は大概、一階に住む両親のどちらかが咳をしたり、くしゃみをしたりした時なのだ。
先日、ウランが激しく泣くので、ボクは一階に下りていった。
「どうしたん、ウラン、エライこと泣いてたな」と父親に言うと、父親は、
「オナラをしたんや」と笑っている。
そして「不思議やな。スカ屁やったのにな」と首を傾げるのである。
「こいつ、匂いにも反応するのやろか」と再び父親。
そんな、アホな。
ウランは「プスン」の音にも反応したようである。
ウランの耳は極めて敏感なのだ。