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★ジュリー死ぬ

ジュリーとは勿論、沢田研二のことではない。
お向かいのEさん家の飼い犬である。
ジュリーは朝いつも、玄関に通じる階段で寝そべっていた。
ボクが外に出ると、上目遣いで見る。
「ジュリー」と声を掛けると、寝そべったままの姿でしっぽだけを振っている。
実に愛らしい。
11月最後の日に亡くなった。
夏頃から、体中に湿疹が出来ていた。
しばらくの間病院で入院していたのだが、獣医は「何でも好きな物を食べさせてください」と言って家に帰した。
家に戻ってから、食べ物が喉を通らない状態が続いた。
癌だったようだ。
Eさん家は下水道工事の会社を経営しておられる。
福知山に芝生が広がる別荘があり、時折ジュリーを連れて休日を過ごされていた。
ボクも何度か招待していただいた。
ジュリーは庭に寝そべっていて、ボクが芝生に行くと大きな体を預けるようにしてジャレる。
そんなことも過去の想い出になってしまった。
犬の寿命は約10年で、人間にすれば65歳くらいだそうだ。
ジュリーも10歳くらいだったろうか。
やはり、この世から消えてしまうことは寂しい。






 

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