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フリーズ



金ブンのオフィス
面白いと評判になっている屋敷がある。
そこは真っ暗で不気味だ。
だが、好奇心に導かれて恐る恐る足を踏み入れる。
と、突如、目の前に融通の利かない頑固親父が現れる。

初心者がパソコンに対することはその頑固親父を相手にするようなものである。
久しぶりにあった友人が頑固親父に遭遇して、恥をかかされたと言っていた。
友人は初めてパソコンを買い、見よう見まねでインターネットにアクセスする。
恐る恐る、天気予報やニュースを見て、ネット商店街に入ってみる。
「なかなか便利なもの」と思いながら、次ぎは家族が寝静まった後、ひとりになって「健全な」サイトを見始めた。
「ほぉっ」と感心して、あれこれクリックしている内に、突然アクセス出来なくなり、やがてパソコン全体がおかしくなってしまった。
仕方なく、次ぎの休みに日本橋へパソコンを持っていった。
店員が「お客さん、変わったサイトを見てはったんでしょ」なんて言われ、横にいた奥さんからさげすむような目で見られたという。
それくらいなら、まだ笑える話だが、知らず知らずにアクセスがQ2や南の島の番号に変わって、多額の請求書が送られてくることがある。
以前社会問題にもなった。

ボクは少しパソコンを動かせるようになった今でも、時折この頑固親父に泣かされる。
イラストレーターを使って作業をしていたのだが、1時間ほど熱中していると突然フリーズしたのだ。
途中で保存をしていなかったため、画面は1時間前の状態に戻ってしまっていた。
「ボクの貴重な1時間を返してくれ」と、頑固親父に叫ぶのだ。

初心者の頃、たいへん恐ろしい目にあった知人の話である。
パソコンを買って間もない頃、いきなり、「健全な」サイトを見ていたそうだ。
突然、いかがわしい画面の状態でフリーズしてしまった。
マウスは固まったままで、強制終了も出来ないのだ。
その時、1階から奥さんの呼ぶ声がした。
それと同時に、トントンと階段を上がってくる音が。
どのキーを叩いても、画面は固まったままだ。
知人はどうしていいか分からず、パニック状態に。
やがて、奥さんがドアを開けた。
咄嗟にコンセントを引き抜いた。
が、慌てていたために、間違って蛍光灯のコンセントを抜いてしまったのだ。
かくして、薄暗い部屋にパソコンの画面が妙に明るく輝いていた。
イタズラで破ってしまった障子の前に立つガキのように、パソコンの前で両手を広げてフリーズしていたという。
まるで、ホラー映画をみるようである。
ウインドウズ 窓は開けたが 閉められず(サラリーマン川柳より)
くわばら、くわばら。