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雀鬼8番勝負(1月吉日)

酒を呑みながらする思い出話ほど楽しいものはない。
この日は麻雀を早く終え、Y・H君(ギャグ麻雀)の元上司たちが経営する居酒屋へ寄った。
Y・H君は求人広告の会社に勤めていて、その元上司たちは同じ会社を退職した3人だ。
一人は店の内装を自分でするほど器用な男性、もう一人は料理の得意な男性、そしてもう一人は物静かに料理を出してくれる女性である。
男2人に女が1人。
この組み合わせは実に良い。
大学の時に観た「冒険者たち」という映画がこの組み合わせだった。
アラン・ドロン、リノ・バンチェラ、それに女性がジョアンナ・シムカスというキャストだった。
パイロットのマヌー、レーサーのローラン、彫刻家のレティシア、それぞれの夢を追ってた3人が隠された財宝を探しに行くという設定(少し間違っているかも)だった。
会社を飛び出した3人が夢に見ていた自分の店を持つ。
違った生き方の人たちがそれぞれの能力を活かしながら一つの夢を追うというのはなかなか魅力的ではないか。
店は10人位が座れるカウンターとテーブルが1席、10坪足らずの広さだ。
料理の種類も豊富だし、とにかく安い。
例えば、枝豆が100円だ。
その日は特別に餃子を作ってくれた。
店内にはマスターの趣味でジャズが流れている。
浅川マキを聴かせてくれた。
この浅川マキは徹マン明けに聴くのが実に良い。
気だるさに、あの気だるい声が堪らないのだ。
私は内装を自分でするほど器用でもないし、料理も得意ではないが、こんな店を持ってみたいものだ。

その日の麻雀は最初から良い手が来た。
配パイも良いし、ツモも良かった。
流れに乗れれば、大勝ちするかもしれない。
そんな予感があった。
そんなリズムは一つの間違いで狂ってしまう時がある。
南場の2局目(子)、トップ争いをしている。
3千点遅れの2位だったと思う。
7巡目で下記の手牌になった。


を落とせば、待ちのテンパイになる。
7、8、9の三色も見える。
さて、あなたならどうする?
私はを捨てて、リーチした。
リーチした瞬間、間違ったと思った。
やはり、正解はだろう。
何故なら、が場に一枚出ている。
あと一枚のでドラだから、出ない。
マンズも高そうなので、出そうにない。
つまり、ツモしか期待出来ないのだ。
何より2巡後にが来たのだから、この決断は間違いになった(結果論だが)。
結果、この局は流れた。
これから、急に手牌もツモも悪くなった。

だが、その日は前半の蓄えが活かして、+11と○が2つで少ないながら1人勝ちとなった。


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