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★ウランの避暑

「人間は自由の罰に処せられている」
哲学者サルトルの言葉だ。
犬や猫などの動物は本能のままに動く。
腹が空くとご飯、喉が乾くと水を求める。
怪しい人と思うと、吠える。
そこには自由がない。
本能が指図をして動く。
人間は腹が空いても、すぐには食べない。
今食べても良いが、もう少し腹が空いてからのほうが美味しくいただけるから、30分後に食べようなどと考える。
「30分後だと、レストランが混む時間なので、もう食べておこう」
と考え直したり。
何を食べようか。
うどんも良いが、最近カレーを食べていないのでカレーにしようか。
ハンバーグ定食もいいな。
あれこれと悩む。
犬はそうではない。
あれこれ出されても、迷わない。
今食べたいと思うものを一直線に食べる。
ダイエットなんて考えない。
食べたい量だけ食べる。
人間は自由だが、その自由に悩まされている。
その点、犬や猫は気楽と言える。

今年の夏は連日猛暑だった。
ウランも避暑対策を考えている。
朝は太陽が当たらない東側の塀の側で横たわる。
昼になると、庭に植えているアジサイの下で空間を作って、そこで過ごす。
夜になると、犬小屋の前にくるが、
ほとんど、犬小屋には入らないようだ。
中は風通しが悪いのだ。
これも本能のまま動いている。
人間はあれこれと雑念にとりつかれる。
時折、犬がうらやましくなる。




ここで昼寝



 

 

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